【今話題!】外来がん治療認定薬剤師とは⁉合格率や過去問について解説

「薬剤師過剰の時代が来る」と言われている近年。
そんな時代を生き抜くためには、私たち薬剤師はどうすればよいのでしょうか。
これからは、より専門性の高い知識を持つ薬剤師が必要とされます。
とある大手の薬局では、後述する外来がん治療認定薬剤師の資格を持っていると、月に5万円の手当がつくなど、かなり優遇されるようです!
今回は、簡単にわかりやすく、外来がん治療認定薬剤師について解説していきたいと思います。

外来がん治療認定薬剤師とは?

まず、薬剤師のがん認定・専門資格には、

・がん専門薬剤師(医療薬学会)
・がん薬物療法認定薬剤師(病院薬剤師会)
・外来がん治療認定薬剤師(臨床腫瘍薬学会)
・地域薬学ケア認定薬剤師(がん)(医療薬学会)

などがあります。
このうち、薬局薬剤師が取得出来るものは、

「外来がん治療認定薬剤師」「地域薬学ケア認定薬剤師(がん)」 となります。

※令和3年8月より開始された、癌の専門医療機関連携薬局の認定要件の一つとして、

日本臨床腫瘍薬学会が認定する「外来がん治療専門薬剤師(=BPACC)」が薬局に常勤することが挙げられています。このBPACCを取得する条件の一つとして、「外来がん治療認定薬剤師(=APACC)」の認定をとらなければなりません。

APACCを取得したのちに病院研修(薬局に勤務していても受けることが出来ます)を経ることで、BPACCとなることができます。

認定をとるための条件は?

主な認定要件としては、

①薬剤師としての実務経験が3年以上
②研修認定薬剤師等であること
③がん領域の講習、研修で60単位以上取得している
④外来のがん患者の薬学的介入の事例10例提出

があります。

試験内容は? 実際難しいの⁉

・一次試験(事例審査と筆記試験)
・二次試験(面接) 

があります。

一次試験の事例審査とは、試験の申請をするときに、自身が行った薬学的介入事例を10事例提出します。その後筆記試験があり、近隣の試験会場にて受験します。筆記試験の内容は、5つの選択肢から1~3つ正しい回答を選ぶような選択式問題です。

一次試験に合格後、二次試験の面接試験があります。
事前に提出した10個の症例について、面接官(医師+薬剤師)が気になることについて質問を受け、それに回答する形で試験が行われます。
面接はオンラインなので自宅でもOKです。

令和元年に実施されたAPACC認定試験(第6回)の合格率は41%。令和3年(第8回)も同じく約41%。やや難易度は高いです。しかし、難易度が高いからこそ、需要がある認定といえます。
また、二次試験まで進んだ人の合格率は96%です。
よって、一次試験(筆記・事例審査)を通過すれば、ほぼ合格できると思ってよいでしょう。
以下の記事で、一次試験対策について書いていますので、ぜひお読みください!

筆記試験、事例審査対策の記事はこちら→事例審査対策①事例審査対策②筆記試験対策①

また、一次試験にて提出する事例10個について、不安な方向けに添削サポートも行っています。
お気軽にメールでご相談ください!
yakumao@ymail.ne.jp

外来がん治療認定薬剤師の人数はどのくらい?

令和4年5月でAPACC認定者は987名。うち薬局勤務者は、8%ほどの人数です

薬局薬剤師の認定者数は少なく感じられますが、令和元年時点における薬局薬剤師の合格者割合は5%以下だったので、徐々に増えていることがわかります。

認定をとるメリットって?

前述したように、

合格率もそれほど高くなく、
特に薬局での認定者が少ないこと、
そして、専門医療機関連携薬局の認定要件を1つ満たす条件ということもあり、

この認定をもっていると大手の薬局などで、かなり優遇されるようです。(ある調剤薬局グループでは月額5万円の手当)。
病院でも「がん患者指導管理料ハ」の算定要件を満たす認定になります。この認定を持つ薬剤師が、がん患者様に指導することで算定できます。
よってどこへいっても使える認定資格といえるでしょう。

試験の難易度は高いですが、それ相当のメリットもある認定資格となっています。

まとめ

外来がん治療認定薬剤師は、今後薬局で求められる人材になってきます。
一次試験は少し難易度が高いですが、これに通ってしまえばほぼ受かったも同然といえます。
専門性の高い薬剤師になるために、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

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