【過去問で学ぶ!】外来がん認定薬剤師 筆記試験対策②

どんな問題が出題されるの?

臨床腫瘍薬学会公式ホームページに記載の出題範囲には具体的な薬剤名などは載っていません。どんな薬剤の問題が出るのかわからない方も多いでしょう。

ここでは初めて受験される方にも、どんな問題が出てくるのかを知ってもらえるよう、実際の過去問を交えた対策を書いていきます。

わたしも受験時に過去問をもらって勉強していたおかげで、解答できた問題がいくつかありました。例年出題のある領域については確実に解答できるよう、過去問は絶対やりましょう。

※過去問は正式に公開されていませんので、筆者や有志の方の記憶に基づいた内容となっています。

1度、自力で解いてみてください。記事の最後に解答をつけています。それでは早速みていきましょう。

例題① レゴラフェニブの適応症として正しいものを3つ選べ

  1. がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌
  2. 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
  3. がん化学療法後に増悪した食道癌
  4. がん化学療法後に増悪した膵臓癌
  5. がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍

レゴラフェニブは内服薬なので薬局でも見たことがある方は多いのではないでしょうか。

消化器腫瘍で使う薬剤なので、どれも適応がありそうですよね。実臨床で症例にあたっていれば、癌腫もわかるので解答し易いでしょう。

このように知識さえあれば即答できる問題も多数あります。

続いて見ていきましょう。

例題② 発熱性好中球減少症に対して単独投与で選択されるべき抗菌薬を3つ選べ

  1. セフェピム
  2. タゾバクタム・ピペラシリン
  3. イミペネム・シラスタチン
  4. セフトリアキソン
  5. ゲンタマイシン

発熱性好中球減少症(FN)は、薬局の方にはなじみの薄い内容かと思います。今回の薬剤も注射剤ばかりとなっていますが、例年出題されているようです。必ずチェックしておきましょう。

FNでは、緑膿菌を含むグラム陰性桿菌に効く抗菌薬を選ぶ必要があります。ガイドラインで推奨されている抗菌薬は種類が多くないので覚えてしまいましょう。

FNは緊急事態ですので、内服ではなく、確実で即効性のある注射剤が推奨されます。

内服薬のキノロン系も緑膿菌に効果はありますので、低リスクFN患者に使用することはありますが、原則単独投与は推奨されていません。(FN診療ガイドラインより)

例題③ エルロチニブと併用することにより、エルロチニブの血中濃度を低下させる可能性のある薬剤はどれか3つ選べ。

  1. クラリスロマイシン
  2. メナテトレノン
  3. ラニチジン
  4. カルバマゼピン
  5. フェニトイン

薬物相互作用に関する問題も例年出題されています。

今回のように「相互作用により血中濃度が上昇するのか低下するのか」、までが合っていないと正しい回答にたどり着けない問題として出題されます。
相互作用の結果血中濃度がどうなるのか、まで理解しておきましょう。

相互作用といえばCYP代謝関連をまず思い浮かべますが、他の要因も考えなくてはいけません。全く無関係の選択肢もあるのがいやらしいところです。

いかがでしたか。今回の例題は試験の前半に出てくるような問題です。例題の回答は下のほうにあります。

これらは「がん専門・認定薬剤師のためのがん必須ポイント」(じほう)に記載がありますので、気になる方は参考にしていただければと思います。次回は後半の問題を例に紹介していきます。

付録.例題の解答
例題① 1.2.5が正解
例題② 1.2.3が正解
このほか、メロペネムやセフタジジムなども推奨されています
例題③ 3.4.5が正解
クラリスロマイシン (CYP阻害作用により血中濃度は増加する)
メナテトレノン (関与なし)
ラニチジン (消化管吸収率低下により、血中濃度は低下する)
カルバマゼピン (CYP3A4誘導作用により血中濃度は低下する)
フェニトイン (CYP3A4誘導作用により血中濃度は低下する)

コメント

タイトルとURLをコピーしました