1次試験のもうひとつの要、筆記試験についてかいていきます。まず、2019年以前の試験とは出題数と試験時間が大きく変更となりました。さらに今までは東京の受験会場に出向く必要があったものがCBT形式となり、自分たちの近隣の受験会場にて受験できるようになりました。新型コロナが落ち着いたあとも、このように近隣で受験できるようになると便利ですね。
試験内容は??
一度、試験内容についてまとめておきます。試験問題数は75問で、5肢から1~3肢を選択する問題形式で制限時間は120分となっています。午前や午後にわけられておらず、120分通しで筆記試験は終了となります。
基本的に筆記用具や時計含めて、何も持ち込めません(もちろんスマホも)。試験開始時にメモ用紙と鉛筆のみ渡されます。問題はPC画面上のため持ち帰ることはできませんし、渡されたメモ用紙、筆記用具も回収されます。トイレに一時退室することはできますが、早く終わっても終了時刻まで退室はできません。
出題範囲はどうなっている?
試験範囲は公式のホームページにもあるように
〇抗悪性腫瘍剤等の以下の情報
- 添付文書
- インタビューフォーム(支持療法に使われる薬剤も)
- 医薬品リスク管理計画における追加リスク最小化計画で規定されている医療従事者向け資材(適性使用ガイド等)
- 緊急安全性情報及び安全性速報
- 公知申請に関する情報
- 副作用に対する予防、治療等に用いる薬等に係る各種情報(特に相互作用)
- 各癌腫及び制吐剤等のガイドライン
その年の5月末までに出ている新薬、情報が出題範囲となります。
その他の参考資料として以下の書籍が挙げられています。
- がん診療レジデントマニュアル第8版
- 改訂第7版がん化学療法レジメンハンドブック
- 抗悪性腫瘍薬コンサルトブック改訂第2版
- 新臨床腫瘍薬学改訂第6版
- 臨床腫瘍薬学
………
すごく大雑把ですね。これを見たとき、どれから手を付ければいいのかと途方に暮れた覚えがあります。愚直にこれらを丸暗記するなど効率が悪すぎますし、かといって絞り込もうにも範囲が広すぎます。参考資料も分厚いものが5冊も挙がっています。これではどう勉強したらよいかわかりません。日頃から診療の場で経験している領域ならいいですが、関わっていない領域などほとんど知識がないという方が大半でしょう。
おすすめの勉強法とは
そこで、わたしが実際に行った試験対策をご紹介します。追加で参考書を購入してもよいですが、私がおすすめするのは2点です。もし既にこれらを持っている(受講している)のであれば、それを極めるほうが良いと思います。
1点目はやはり学会公式のEssential seminarです。認定薬剤師を目指す方を対象としており、内容もそれに合ったものですので、試験対策に直結するかと思います。3領域に分かれていますが、可能であれば全て受講する方がよいと思います。ただし、費用もかさみますし、スケジュールも決まっているので受講できなかった方も多いでしょう。わたしも結局受講できませんでした。
そんな方にお勧めしたいのが、「がん専門・認定薬剤師のための必須ポイント」(じほう)です。もともとは病院薬剤師会の専門・認定薬剤師向けに作られたようですが、必要なポイントが1冊にまとまっています。がんの基礎(疫学、診断など)から、抗癌剤の作用機序、各癌腫各論とレジメン管理、副作用対策、緩和ケア、臨床試験と網羅しています。さらに各薬剤ごとのポイントが表でまとめられていることや薬物相互作用の項目があること、各章の最後にチェックすべきポイントがまとまっているため、復習にも便利です。
かなり専門的で、手術療法や放射線治療のことも載っており、薬剤師にはあまりなじみのない部分もありますが、必要な情報が載っています。わたしはこれ1冊のみで挑みました!何度も復習すれば必要な知識は身に付きますので、迷っている方はこちらをおすすめします。レジメンハンドブックはじっくり勉強するには向かないように思います。
もちろん、やり方は何通りもありますので、ご自身にあったやり方をさがしてみてください。
出題傾向は?
出題傾向として過去問を見ている限りでは、年によってやけに特定の薬剤、癌腫に偏った問題が多いことがあります。おそらく出題者の専門領域なのでしょう。一方で、例年似たような領域の問題も出題されていますので、ここは過去問を解いておくことで対策ができそうです。
次回の記事にて、過去問から抜粋した例題を交えながらより細かく内容を確認していきたいと思います。
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